痛かった外国籍選手の不在 それでも見せた意地と成長 岐阜スゥープス72-91東京サンレーブス

2019年4月27日(土)バスケットB3ファイナルステージ第6節ゲームワン

前回の越谷戦では非常に良い形で勝利を収めた岐阜スゥープス。しかしこの日は緊急事態が発生。マイケル・アリソンが腰痛、アレン・ハジベゴビッチが左肩の違和感で出場不可能と、外国籍選手はビンゴ・メリエックスのみという苦しい布陣となった。

そんな中、梶本健治ACが先発に起用したのは、「練習で調子が良かった」という中野大介。身長190センチ、チーム最年長のビッグマンにマイクやアレンの代役を期待した。

今季初先発でチームトップの15得点の”D-COOL”中野大介選手

初先発に「やるしかない」と気合を入れた中野。積極的にリング下に走り込み、パスを受けてシュートを決める。またもう一人の日本人ビッグマン犬飼啓介も吉田健太郎の3Pシュートをアシストするなど健闘した。しかし、やはり相手の高さにリバウンドがなかなか取れず、またファウルも重なり20-25で第1Qは終了。その5点差はまさにフリースロー分だった。

劣勢を強いられる中でも粘りを見せていたスゥープスだったが、第2Qは相手の強い圧力にシュートがなかなか決まらず、逆に相手の外国人選手を止めきれずに31-45とリードを広げられる。

それでも第3Qの立ち上がりすぐに、キャプテン杉本慎太郎の連続得点で息を吹き返すと、ビンゴが中央から3Pシュートを沈め、さらにバスケットカウントのフリースローも決めると、中野がフリースローを2本きっちり決め、さらに伊藤良太から中野で46-51と5点差まで詰めた。

外国籍選手1人で奮闘したビンゴ選手14得点13リバウンド

しかし、追い上げもここで息切れ。相手の大きな外国籍選手をなかなか止められず徐々に差を広げられると、第4Qの最終盤に必死に追い上げるも72-91とGWの初戦を白星で飾ることはできなかった。

梶本ACは「(中野を)思い切って使ってみたら結果を出してくれた。今晩対策を考えて明日に挑みたい。もう少しリバウンドを取れれば勝てない相手ではないと思う」。また杉本慎太郎キャプテンは「外国籍選手の代わりに(中野)大介選手と犬飼選手が躍動していたので、そこでもパワーが発揮できると分かった。もっとアウトサイドのシュートが決まればうちのペースになる」と、ゲーム2へ意識を向けた。

そして、このゲーム1でチーム最多得点(15点)を記録した中野大介は「試合に向けて準備はずっとしていた。練習を休まず続けてきたのでそれがこういう結果になって良かったが勝てなくて悔しい。40歳でもまだまだできる。今日がピークにならないように練習を継続してチームに貢献できるように頑張りたい」と語った。

順位は6位だが、この日の勝利で来季B2自動昇格を決めた東京エクセレンスを除き、混戦が続いている。一つでも順位を上げるために明日のゲーム2は是が非でも勝利を手にしたい。

ゲーム2はアウトサイド陣にバンバン決めてほしい

最高の勝利をもたらしたものとは 岐阜スゥープス99-84越谷アルファーズ

2019年4月14日(日)バスケットB3ファイナルステージ第4節ゲーム2

スゥープスの快勝にチアも笑顔がはじける

今シーズンからプロバスケットボールチームとしてB3リーグに参戦している岐阜スゥープス。これまで残り1秒での逆転3ポイントシュートやオーバータイムで相手に1点しか与えなかったゲームなど、様々な勝ち試合があったが、この日はこれまでのどの勝利も凌駕する最高の勝利を掴み取った。勢いや偶然だけではない、確かな成長を感じさせた勝利の裏にあったものとは・・・。

前日のゲーム1は64-93と大差で敗れていた岐阜スゥープス。ゲーム2に向けて対策を練った。梶本健治ACは、「昨日は相手の外国籍選手にインサイドをやられた」と、まず守備面で対応するために、ビンゴ・メリエックスに代え、より高さのあるアレン・ハジベゴビッチを投入した。

4試合ぶりの起用に応えたアレン選手は28得点13リバウンドのダブルダブル

外国人枠の関係で、このところ試合に出られなかったアレンだが「誰を試合に出すかはコーチが判断すること。いつ出てもいいように最善の準備をしていた」と、4試合ぶりの出場に気持ちが入っていた。アレンは期待通り第1Qから5つのリバウンドと2つのブロックショットなど守備から貢献。他の選手たちもフロントコートからの激しい守備でリズムを作った。スゥープスは、試合の序盤こそリードされたものの伊藤良太のアシストからアウトサイドの3ポイントシュートが次々と決まり、相手が外を警戒すればカットインから得点と25-20で第1Qを終えた。

しかし、第2Qに入ると突如としてシュートが決まらなくなる。スゥープスのこのQの初得点は残り3分12秒の伊藤良太の3ポイントと、およそ7分近く得点を奪えなかった。いつもならズルズルと相手に離されるところだが、この日は違った。「得点を奪えない中でもディフェンスを頑張り7点しか与えなかった。それが良かったところ」と田中昌寛。2Qの初得点後、田中の2本の3ポイントシュートなど、3分あまりで計17得点を奪い、一旦は逆転されていたものの第1Qからさらにリードを広げる形で前半を折り返した。

田中昌寛選手は前日の方がシュートタッチは良かったそうだが32得点と爆発

第3Qは、両チームともシュート成功率が高く、25点ずつを奪いあって10点差で最終Qに突入。フリースローで先に越谷に1点を取られたものの、吉田健太郎のアシストから伊藤と田中が決めてリードを広げる。さらにアレンが3ポイントシュートを決めて75-60としたところで、相手はたまらずタイムアウトを取った。

否が応にも盛り上がる会場の効果で、直後の越谷のフリースローは2本とも失敗。それでも犬飼啓介をファウルアウトで欠き、チームファウルも4つに。すぐに相手に得点を取られたことで、リードをしていても油断できないと緊張感が増した。

懸命のブーストで相手のフリースローを落とさせる。ブースターの声援が勝利の要因だったと選手たちも言う

次の攻撃ターン。相手の激しい守備に、スゥープスはなかなかシュートの形にまで持っていけない。ボールをリングに当てなければならない24秒まで残り1秒。中央の3ポイントラインの外にいたマイケル・アリソンが、無理な形ながらシュート体勢に入ると相手からファールを受けた。幸運ともいえる3本のフリースローを獲得。マイクはこれを3本ともきっちりと沈め、チームに落ち着きが戻った。その後は、両チームとも5ファウルとなりフリースローを中心に点の取り合いとなったが、スゥープスのリードは揺るがず、強豪の越谷を相手にホームで大きな1勝を得た。

次々と決まるシュートにベンチも大騒ぎ、これぞ一体感

梶本ACは勝利の要因を「相手のインサイド攻撃をアレンが防いでくれたことと、全員がそれぞれの役目をきっちり果たしたこと」と分析。「外国籍選手の使い方が良い意味で難しいね」と笑顔を見せた。またこの日32得点、3ポイントシュートの成功率は87.5%と大当たりだった田中昌寛は「これまでより自信につながる勝利だった。残りの4試合もスゥープスらしくディフェンスから頑張りたい」とチームの成長に手応えを掴んだようだ。

そしてもう一人のヒーローはアレン・ハジベゴビッチ。28得点13リバウンド、ブロックショットも6本、スティール4本と大活躍。アレンは「スゥープスの良いところは、みんなすごいエネルギーを持っているし、いつも笑顔なところ。これからもベストを尽くしてチーム一丸となって頑張りたい」と語った。

杉本慎太郎キャプテンも納得の表情でサムアップ

今シーズンも残り4試合。2位の越谷に1つ勝ったことで、ファイナルステージだけだが目標とする勝率5割に3勝1敗で届く計算になった。上位チームとの対戦が続くが、この試合のようにしっかりとした守備から自分たちのバスケットをすれば、決して無理なことではないなと、感じさせる試合内容だった。

 

らしさを追求して成しえた逆転勝ち 岐阜スゥープス77-74岩手ビッグブルズ

2019年4月7日(日)バスケットB3ファイナルステージ第3節ゲーム2

チーム一丸となってプレーが勝利を呼び込んだ

前日のゲーム1で、不甲斐ない試合をしてしまい最下位に落ちた岐阜スゥープス。宿泊先で長いミーティングを行いこの試合に臨んだ。チームの精神的な支柱である田中昌寛は、「それぞれの思っていることをぶつけ合った。みんなが納得してこの試合に挑めたことが大きかった」と逆転勝ちできた要因を語る。プロチームとなって初めてのシーズン。精神的にも厳しい中でチームの理念を再確認し、勝利を収めたことで「チームはまた一つ成長したと思う」と、梶本健治ACも選手たちの今後の活躍に期待を寄せた。

試合は序盤から両チームともにシュートが決まらず、ロースコアでゲームが推移する。特にスゥープスは第1Qのシュート成功率は14%と、打てども打てどもリングに嫌われた。それでも第2Qのラストプレーで田中の3ポイントが決まり30-35と何とか喰らいついて前半を終える。田中はそのプレーについて「健太郎(吉田)が、『田中さんなら入ると思うから任せた』と言ってくれて、気が楽になった」と振り返った。

要所で3ポイントシュートを決めるのが田中昌寛選手の真骨頂

実力伯仲の両チームは、後半に入っても一進一退を繰り返す。しかし、第4Qで再びシュートが決まらなくなったスゥープス。それに対しビッグブルズは着実にシュートを沈め、52-61とリードをあっという間に広げられ、スゥープスはたまらずタイムアウトを取った。

梶本ACの指示は「ゾーンディフェンスにすれば相手のシュートが落ちる」と明確。開いた点差を追いつこうと攻撃に重点を置くのではなく、スゥープスらしい守備から立て直すことで活路を開こうとした。

そして、見事その読みが的中する。タイムアウト後すぐの相手の攻撃は決められたものの、杉本慎太郎のアシストからビンゴ・メリエックスが3ポイントを決めると、田中、杉本慎も3ポイントを続けて一気に差を詰める。その間、相手に得点を許さずにリバウンドも制圧。マイケル・アリソンのシュートでついに63-63と劣勢を跳ね返した。

スゥープスの試合が初めて行われた下呂のブースターも、畳みかけるような反撃に大きく盛り上がりチームを後押し。65-65からビンゴがフェイドアウェイを決めて67-65に。さらに「相手はボールを持つとパスをする先を探す」と、動きを読み切っていた伊藤良太がスティールからファストブレイク。続けて杉本慎もスティールを決めて、パスを受けた伊藤が落ち着いてレイアップシュート。その後も相手のチームファウルからのフリースローを伊藤がしっかりと決めて、追いすがるビッグブルズを振り切った。

先輩たちのおかげで伸び伸びプレーできているという伊藤良太選手

これでスゥープスは順位を一つ上げて6位に。しかしそれよりも田中は「チームがバラバラになりかけたところで、しっかり話し合いができて、しかも逆転勝ちできたことは今後につながる。鹿児島戦の勝利よりも重要な勝利」だと語る。

来週、第4節は、ホームOKBぎふ清流アリーナに帰って、越谷アルファーズと対戦。上位相手だが、この勝利を無駄にしないためにも、スゥープスらしい戦いをしてブースターに勝利を届けたい。

ブースターとチアの後押しがこの日の勝利の要因となった

ブザービーターに散る 岐阜スゥープス77-79鹿児島レブナイズ

2019年3月31日バスケットB3ファイナルステージ第2節ゲーム2

試合後の囲み会見で伊藤良太選手は、絞り出すようにこう言った。

「悔しいですね、正直」

第4Q残り6分あまりの時点で、58-73と15点の差を付けられた。しかしスゥープスはそこから怒涛の反撃を見せる。マイケル・アリソンとアレン・ハジベゴビッチの連続ダンクシュート。そして伊藤の3ポイントが決まり8点差。ここで鹿児島はたまらずタイムアウトを取る。

アレン・ハジベゴビッチ選手の迫力あるダンクシュートをぜひ生で見てほしい

スゥープスが追い上げられた要因は、持ち味である激しい守備だった。オールコートのマンツーマンに変え、ボールがコートに入った瞬間からプレスをかける。その勢いに圧された相手はミスを繰り返した。タイムアウト後も小澤友教のシュートをマイケルがタップでフォーロー。マイケルは続けざまにインサイドのシュートを決めて、バスケットカウントを得る。そのフリースローは外れたもののリバウンドを田中昌寛が拾い中央のアレンへ。アレンはきれいにシュートを沈めて2点差に。そして残り3分を切ったところで伊藤の3ポイントが決まり、ついに74-73とスゥープスが逆転に成功した。およそ3分の間、相手に1点も与えず、16点を奪う猛攻。ブースターもこれまでにないほど盛り上がった。

しかし、スゥープスはここから攻め急いでしまった。吉田健太郎のドライブが落ち流れが途切れると、再び逆転を許す。それでも残り23秒で伊藤がシュートをねじ込み、ファールも誘って、このフリースローをきっちり決めた。

十六銀行デーで背番号「16」の伊藤良太選手も気合いが入っていた。最後の追い上げは「ホームでの意地」

77-77で残り23秒。相手は時間を目一杯使いたい場面だ。スゥープスとしては、ボールをカットする以外に攻撃する時間はない。心理的には守り切って延長に持ち込みたかった。

アレンが厳しいチャージをみせるもののボールは奪えず、残り3秒で鹿児島ボアキンがシュート。これがリングに当たって落ちた。しかしリバウンドは鹿児島6番館山の手元へ。少し後ろに体をそらしながら放ったジャンプシュートは、ブザーと共にリングに吸い込まれた。

鹿児島6番館山選手のシュート力は見事だった

「守備で効いていた小澤に代えて、吉田を出して得点を狙いに行ったことでリズムを崩した」と、采配を悔しがった梶本健治AC。それはもちろん結果論であり、今後のチーム力強化のためには納得できる交代だ。若くても、あのしびれる場面で積極的にシュートを打てる吉田も大したものだと思う。

一時は「惨敗」かと思わせるような試合を、ホームで負けられないという意地と執念で接戦に持ち込んだスゥープス。今回は相手、特にあの場面で決め切った館山を称えるべきなのかもしれない。非情に悔しい結果だが「これもバスケット」である。

ホームで爆発とはいかなかったが、可能性を見せた吉田健太郎選手